土木工事(立坑)

「Doka足場型枠一体セルフクライミングシステムSKE50 plus」が採用

 

概要


現場特徴

  • 深さ約100m、直径約36mの立坑の工事
  • 内部に足場をかけ構造物を鉄筋コンクリートで構築する

 

機材特徴

SKE50plus
  • 油圧クライミング装置を使用し、型枠と足場を一体化させたユニットをクライミングする自昇式型枠足場のため、クレーンが不要
  • 24本の油圧ジャッキを同時に動かすことで、大きな足場面積を一気にクライミングさせることができるため、時間短縮となる
  • 広い作業床が確保できるため、安全に作業を行うことができる
都道府県

神奈川県

工事名

土木工事(立坑)

工期

~2021年7月頃まで

工事概要

深さ約100m、直径約36m(工事施工ヤード約18,500㎡)の立坑

納品機材

「DokaセルフクライミングシステムSKE50plus」
アルバトロス「手すり先行型クサビ緊結式足場」 NETIS番号:KK-150002-A

写真

動画

「Doka」足場型枠一体 セルフクライミングシステム SKE50plus

インタビュー 大林・フジタ・大本共同企業体 ご担当者様

Q. 従来、立坑内に構造物を構築する工事は、作業が上へ進むにつれて足場を徐々にせり上げていく工法を用いると思います。今回それに代わるセルフクライミングシステムを採用された理由をお聞かせください。
A.

厳しい契約工期や次期工事への引き渡し時期を考慮すると、工事全体では約24カ月、躯体構築工(※注1)で約6カ月の工程短縮が必須であり課題でした。躯体構築工において、鉄筋のプレハブ化施工(※注2)と合わせてセルフクライミングシステムの採用はこの課題の解決策として必要不可欠なものでした。

注1:立坑内部に構造物を構築すること

注2:鉄筋を予め組み立てておき、立坑内に搬入後はほぼ設置するだけの状態にしておくこと

Q. 新しい工法の為、セルフクライミングシステム導入は容易ではなかったかと思いますが、どのように採用に至ったのかをお聞かせください。
A.

高さ6m/リフトでの円形立坑内壁面でのセルフクライミングシステムの導入にあたっては同様条件での採用実績が少なかったため、どんなリスクがありどう対応できるのかなど、手探り状態からのスタートでした。検討・計画段階では多くの時間を要しましたが、メーカーと施工者側とが一体となって、リスクの抽出とその対策を何度も打合せを重ね、解決していくことで、なんとか着工を迎えることができました。

Q. 従来工法と比べ、工程・安全性・作業性・その他お気づきになった違いなどがあればお聞かせください。
A.

鉄筋のプレハブ化とセルフクライミングシステムの採用により、6m/リフトの躯体構築を実稼働日13日での施工サイクルを実現することができました。
従来工法で作業した場合、足場と型枠の作業だけでもう7日間ほど作業が必要となったでしょう。今回セルフクライミングを採用した箇所(計9ロット)で換算すると、およそ63日間の工期短縮が出来たことになります。

また従来工法では施工の進捗に合わせて、その都度地上と立坑内とで材料の吊込み・吊出し作業が多く発生し、地上部におけるヤード確保やクレーンの配置調整に苦労することがありました。クライミングシステムでは最初(設置時)と最後(撤去時)におけるヤードの確保は必須となりますが、通常の施工サイクル時ではほとんどクレーンが不要となるため、地上部のヤード確保が容易となり、工程短縮に加え、施工効率や安全性の向上にも繋がりました。

Q. 導入前後でセルフクライミングシステムへの印象が変わった点はありますか?
A.

セルフクライミングの採用による工程短縮はある程度想定できましたが、現場が整然としきれいな状態を維持できたことと、災害リスクがかなり低減されたことは想定以上でした。
セルフクライミングシステム組立解体時の安全性・施工性の向上やシステムのICT化など、更なる改善により今後多く工事でセルフクライミングシステムが普及していくことを期待しています。