仮設機材災害防止 法令集(全文抜粋版)
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257■ 関係法令及び通達等4労働安全衛生規則(足場の組立て等の作業)第564条事業者は、つり足場、張出し足場又は高さが2メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。 1 組立て、解体又は変更の時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。 2 組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。 3 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を中止すること。 4 足場材の緊結、取り外し、受渡し等の作業にあつては、墜落による労働者の危険を防止するため、次の措置を講ずること。  イ 幅40センチメートル以上の作業床を設けること。ただし、当該作業床を設けることが困難なときは、この限りでない。  ロ 要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる措置を講ずること。ただし、当該措置と同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りでない。 5 材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。ただし、これらの物の落下により労働者に危険を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。2 労働者は、前項第4号に規定する作業を行う場合において要求性能墜落制止用器具の使用を命ぜられたときは、これを使用しなければならない。解釈例規1 第2号(現行=第1号)の労働者に周知させる時期、範囲及び順序は、概要で差しつかえない趣旨であること。2 第4号(現行=第3号)の「強風、大雨、大雪等の悪天候のため」には、当該作業地域が実際にこれらの悪天候となった場合のほか、当該地域に強風、大雨、大雪等の気象注意報又は気象警報が発せられ、悪天候となることが予想される場合を含む趣旨であること。3 第6号(現行=第5号)の「つり網」及び「つり袋」は、特につり上げ及びつり下げのためにつくられた特定のものに限る趣旨ではないこと。(昭和34年2月18日 基発第101号) (1)第1項の「高さが2メートル以上の構造の足場」でいう足場の構造の高さは、   ① 作業床が足場の最上層に設置されている場合には、基底部から最上層の作業床までの高さ   ② 作業床が足場の最上層に設置されていない場合には、基底部から、     ア わく組み足場では、最上部の建わくの上端までの高さ     イ 単管足場等支柱式の足場では、最上部の水平材(布材等の主要部材)までの高さをいうこと。 (2)第1項第4号イの「当該作業床を設けることが困難なとき」には、狭小な場所や昇降設備を設ける箇所に幅40センチメートル未満の作業床を設けるとき、つり足場の組立て等の作業において幅20センチメートル以上の足場板2枚を交互に移動させながら作業を行うときが含まれること。 (3)第4号ロの「安全帯を安全に取り付けるための設備」とは、安全帯を適切に着用した労働者が墜落しても、安全帯を取り付けた設備が脱落することがなく、衝突面等に達することを防ぎ、かつ使用する安全帯の性能に応じて適当な位置に安全帯を取り付けることができるものであること。また、第4号ロの「安全帯を安全に取り付けるための設備」には、このような要件を満たすように設計され、当該要件を満たすように設置した手すり、手すりわく及び親綱が含まれること。なお、安全帯を安全に取り付けるための設備を設ける場合には、足場の一方の側面のみであっても、手すりを設ける等労働者が墜落する危険を低減させるための措置を優先的に講ずるよう指導すること。 (4)第4号ロの「安全帯を安全に取り付けるための設備等」の「等」には、建わく、建地、手すり等を、安全帯を安全に取り付けるための設備として利用することができる場合が含まれること。 (5)第4号ロの「同等以上の効果を有する措置」には、つり足場を設置する際に、予め、墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針(昭和51年技術上の指針公示第8号)により設置した防網を設置することを含むこと。 (6)第5号ただし書は、本条の適用を高さが2メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務まで拡大したことに伴い、地上から材料等を手渡しするとき等物の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、つり網等を労働者に使用させることを要しないこととしたこと。 (7)第2項の「安全帯」は、旧安衛則第564条第2項の「安全帯等」を「安全帯」としたものであり、令第13号第3項第28号の安全帯に限る趣旨であること。(平成27年3月31日 基発第0331第9号)

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