仮設機材災害防止 法令集(全文抜粋版)
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355■ 関係法令及び通達等4通達等番号御意見等の要旨件数御意見等に対する考え方35引張荷重11.5kNでは現在の規格と同じで、海外の規格ISOやEN規格より強度がないが(ISOやENは20kN)、なぜコネクタの部分だけ現在の規格と同じなのか。低すぎではないか。最初に壊れるのもコネクタ部分であり、顧客からのクレームが多い。また、海外などから、日本のハーネスが欲しいと連絡がくるが、現行の規格が低すぎて販売ができず、輸出ができない。安心して販売するため、日本の規格もISO等に準じ変更いただきたい。3コネクタの引張強度については、墜落防止用の個人用保護具に関する規制のあり方に関する検討会において、ISO規格に規定する引張荷重を採用すると、コネクタの重量が重くなり、かえって労働災害の発生のおそれがあるとして、現状の値を使用すべきとされています。この提言を踏まえ、改正規格の引張荷重を規定する予定です。このため、御意見を受け入れることは困難です。36ショックアブソーバの落下試験の衝撃荷重を第一種では4kN以下、第二種では6kN以下としており、15kNの引張荷重では、明らかにこれらの衝撃吸収機能は失われる。一方、ISO10333-2:2000では「without tearing or rupture」としており「機能」の損失は問われていない。したがって、「ショックアブソーバについては、引張試験により15キロニュートンの引張荷重を掛けて破断しないこと」としていただきたい。1御意見を踏まえ、改正規格案にショックアブソーバの引張試験の判定基準は、「破断し、又はその機能を失わないこと」を規定することを検討します。37巻き取り器の引張試験での11.5kNは強度が低いのではないか。すなわち、ロック機能が付いた巻き取り器も、緊急ロックはストラップが伸びきっていない状態でしか作動しないため、ストラップが伸びきった状態で墜落事故が発生した場合、6kNでは対応が難しいと考えられる。1巻取り器については、フルハーネス型のランヤードにおいては、ショックアブソーバの落下試験時の衝撃荷重の上限である6kNを超える荷重がかかることは想定されません。胴ベルト型についても、落下試験時の衝撃荷重の上限である4kNを超える衝撃が巻取り器にかかることは想定されません。また、引張試験の基準を厳しくすることにより、巻取り器が大型化して扱いにくくなり、労働災害防止に支障となるおそれがあることから、御意見を受け入れることは困難です。38フルハーネス型用ランヤードの長さの上限が明記されないため、ユーザーではランヤードの選定適否が判断しづらいことから、明確な数値を示していただきたい。1フルハーネス型のランヤードの長さについては、備えるショックアブソーバの種別や落下試験時に落下高さによって使用可能な長さが異なることから、一律の数値を示すことは適切でないため、当該ランヤードを使用する際の自由落下距離は当該ランヤードに備えられるショックアブソーバの許容可能な自由落下距離を上回らない範囲と規定する予定です。このため、御意見を受け入れることは困難です。39ロープ高所作業や消防等救助作業では、既に多くのEN361認証のフルハーネスが導入されていることも考慮し、背部D環においてもフルハーネスに関するヨーロッパ規格EN361と同様、50度としていただきたい。1落下試験時のトルソーとランヤードとのなす角度については、墜落防止用の個人用保護具に関する規制のあり方に関する検討会において、ランヤードとの接続位置を下げる必要がある場合に限り、50度を認めるべきと提言されています。これを踏まえ、改正規格においては、ランヤードとの接続を身体の前面に取り付ける場合等は50度を認めることとし、取り付ける場合等の「等」には、感電防護衣等を着用するためにコネクタの位置を低くする場合が含まれることを改正規格の施行通達において記載する予定です。40現在の規格で30度以下となっているが、45度に増やすことによって、頭部が下に振れる可能性が高くなるのではないか。1落下試験時のトルソーとランヤードとのなす角度については、墜落防止用の個人用保護具に関する規制のあり方に関する検討会において、落下時にランヤードで顔面を打撲するおそれを低減する等の理由により、ISO規格で規定されている45度に整合させることとしたものです。41胴ベルト用のショックアブソーバの伸び制限が不明確であり、どこまで転落するかがはっきりしないことから、上限数値を示していただきたい。1ショックアブソーバの伸びについては、胴ベルト型、フルハーネス型に備えるものいずれについても、第1種で1.2メートル以下、第2種で1.75メートル以下と規定する予定です。

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